2023年4月から5月にかけてBisconti Research, Inc.が行った調査によると、原子力エネルギーに対する米国世論の支持は3年連続で過去最高レベルを維持しています。この調査は全米の成人1,000人を対象としたもので、その4分の3が原子力エネルギーを支持しており、10人に7人が原子力発電所の建設を支持していることが分かりました。

今回の結果は、気候変動との戦いで原子力がどのような役割を担うかを判断する上で、政治的および規制面での決定が非常に重要な意味を持つ今後数年間において、原子力に対する肯定的な世論を高めるために特定の行動をとることが可能であることを示唆しています。

賛成派は原子力のメリットを評価

原子力エネルギーに関する世論調査は1983年以降、少なくとも年1回、米国原子力エネルギー協会（NEI）のスポンサーシップのもとで行われています。過去40年間、原子力に賛成する人たちの割合は全体的に増加しています。原子力が支持される主な理由は手頃な価格、信頼性、効率性であり、これに加えて、カーボンフリーエネルギー源である原子力に備わる環境上のメリットもあります。

こうした結果は、最近になって政策立案者からの支持が増えたこと、そして気候変動に関する世界的な懸念を反映しているものと思われます。原子力は米国の政治指導者から超党派的な支持を得ており、既存の発電所の運転期間を延長するための資金提供の増加につながっています。新しい小型モジュラー原子炉（SMR）技術の研究開発は、原子力発電の将来に向けて効率的で手頃な価格の選択肢があることを約束しており、世論にプラスの影響を及ぼす可能性があります。

2022年にBiscontiが実施した原子力発電所周辺地域の調査では、住民の78%が新しい原子炉を現在の発電所の敷地内に設置してもよいと回答しており、86%が小型モジュラー原子炉を設置してもよいと回答しています。¹

原子力エネルギーについて多くの情報を得ている人ほど強く支持

調査の結果、原子力について多くの情報を得ていると感じている人ほど、賛成していることが明らかになりました。そして、十分な情報を得ていない人が最も強く反対していました。世論に影響を与えた主な要因の1つは、安全性に関する認識でした。

米国原子力規制委員会（NRC）が米国の原子力発電所の安全性を毎日監視していることを知ることで、安全性に対する評価は57%から74%に上昇しています。さらに、過去1年間に原子力エネルギーのニュースを耳にした人は、原子力に最も好意的な意見を持っているものとみられます。

この調査結果が原子力産業に意味するもの

原子力エネルギーに対する米国民の支持率が過去最高レベルを記録していることは、原子力関連部門に携わる人々にとって心強いデータとなります。エネルギー源としての原子力対する好意的な国民の感情は、原子力産業を推進させる政策やプログラムに影響力を行使する上で不可欠です。また、このことは国民の意識を向上させるために何が必要かも示しています。

原子力エネルギーが、効率的で安全、かつクリーンなエネルギー源であり、炭素排出量ネットゼロの目標達成に大きく貢献するものであることを、一般の人々がより深く理解できるようになれば、世論を原子力発電支持に向けてさらにシフトさせることができるでしょう。より多くの人々に、未来のクリーンエネルギーとして原子力を受け入れてもらうためには、教育が鍵となります。

Mirionが安全性と教育を支援

Mirion Technologiesグループは、原子力産業向け放射線安全ソリューションの主要プロバイダーとして、プラント運転の保全に貢献するだけでなく、原子力発電所の安全性について教育を行ってきた長い歴史があります。気候変動に対する懸念が高まり、化石燃料エネルギーへの依存回避という差し迫った必要性がある中で、原子力を実行可能な代替エネルギーとして認識し、社会の認識と支持を高めることは、比類のない専門知識によって人類に利益をもたらす、という当社の使命と一致します。

MirionのCEOであるThomas Loganは、次のように述べています。「この調査は米国民の認識を反映したものですが、世界の主要市場の多くでも原子力エネルギーに対する政治や世論の支持が増加しています。当社はグローバル企業として、長年にわたり原子力の教育と安全性の推進に注力し、お客様をサポートし、原子力市場をよりよいものにするための革新的な製品やサービスを提供してきたことを誇りに思っています。」

Mirionの原子力事業に対する支援については、詳しくはこちらをご覧いただくか、または当社までお問い合わせください。

1 逆NIMBY現象：原子力発電所の周辺住民は「イエス」と回答。