福島:東日本大震災から10年目を迎えて
東日本大震災、それに続く福島第一原子力発電所の事故から10年が経過いたしました。
東日本大震災、それに続く福島第一原子力発電所の事故から10年が経過いたしました。
ミリオンテクノロジーズ・キャンベラ株式会社(本社:東京)は、車両積載物の放射能濃度測定技術「TRUCKSCANシステム」の開発で、第56回日本原子力学会「技術開発賞」を受賞しました。
授賞式は2024年3月27日に近畿大学で開催され、共同開発の株式会社大林組代表者各位と共に、MIRIONを代表してM&Eソリューションマネージャーの鈴木敦雄氏が賞の贈呈を受けました。
表彰を受ける鈴木敦雄氏(右)
株式会社大林組の代表者と記念撮影する鈴木敦雄氏(右)
TRUCKSCANシステムの優れた理論と技術は、これまでにも高い評価を得ています。例えば、環境省の「平成27 年度除染・現用等技術実証事業」に採択され、福島県富岡町内で実証試験を行いました。2021年には「環境放射能除染学会 第3回技術賞」を受賞しました。しかし、今回の受賞は、「実際の現場で長期間の運用がなされて、直接福島復興に貢献したこと」が特に評価されたものです。
福島でのTRUCKSCANシステムの利用
福島第一原子力発電所に近い汚染地域の土やその他の物質の、迅速かつ安全な測定を実現するTRUCKSCANシステムは、複数の大型土のう袋を車両に積んだまま現場で測定して、それぞれの袋の放射能レベルを極めて精度の高い結果を得ることができるという革新的なシステムです。TRUCKSCANシステムは、MirionのISOCS™校正技術を使用しており、放射線源を用いずにほぼすべての種類とサイズの試料で正確な定性・定量ガンマ測定を行うことができます。
TRUCKSCANシステム
TRUCKSCANシステムが、トラック積載の大型土のう袋の個々の濃度を測定
TRUCKSCANシステムを使用することで、人がサーベイメータで測定する従来の方法と比較して、測定時間の大幅な短縮や、放射線被ばくを最小限に抑えることができます。この事により、TRUCKSCANシステムは福島の復興プロセスにおいて重要な役割を果たしてきました。
ミリオンテクノロジーズ・キャンベラのエレーヌ・ルフェーブル社長は、TRUCKSCANシステム開発過程における関係各位の尽力に対して感謝の意を表し、「プロジェクトの最初の構想から約10年が経過しました。ここに至るまでには、社内外の関係者全員の多大な努力と協力が必要でした」と述べました。
TRUCKSCANシステムの歴史
TRUCKSCANシステムは、2011年、大林組とMIRIONの間で協議中に最初に考案されました。2013年には、TRUCKSCANシステムの初回バージョンがリリースされ、2台のNaI検出器を使用して手動測定を行いました。2015年の「可動型 TRUCKSCANシステム」の立ち上げに至るまでは、テストと開発が続きました。この新しいシステムは、大型Nal検知器8台を使用するなどにより、大型土のう袋を運送車両の荷台に積みこまれたまま自動測定することができる改良バージョンでした。
2016年に、TRUCKSCANシステムの実験的試験の結果が、米国原子力学会(ANSI2016)で紹介されました。またこの研究開発プロジェクトは、一般財団法人エンジニアリング協会から「第8回エンジニアリング奨励特別賞」を授与され、革新的でインパクトのある技術としての評価を強固なものにしました。
MIRIONの使命を果たす
TRUCKSCANシステムの構想と開発は、除染と廃止措置の分野において、顧客と提携して革新的なカスタムシステムやソリューションを構築できるMirionの能力を示しています。
こうした革命的な技術の開発は、福島第一原子力発電所周辺の地域社会の安全と福祉に貢献することで、放射線に関する比類のない知識を人類のために役立てるというMirionの使命を支えています。
除染と廃止措置に関するMirionの能力については詳細をご覧ください。
サービスまたはサポートをお探しですか?