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Police first responder

緊急時対応時の放射線安全ニーズを評価する方法

放射線の脅威に備えて、適切な訓練、装備、対応手順などを事前に準備しておくことは、周辺住民や安全管理担当者の安全にとって極めて重要です。新しい安全プログラムを作成する場合でも、既存の安全プログラムを改善する場合でも、地域のリスクレベルによって安全管理のニーズは異なります。

対象地域のリスクレベルを低、中、高で判別するには、まず地域の潜在的な放射線源と緊急事態に発展し得る要因を検証する必要があります。

潜在的な放射線源

  • 放射性医薬品薬局と放射性医薬品メーカー
  • 核医学・放射線腫瘍クリニック
  • 血液バンクと研究用照射装置
  • 産業用放射線源(滅菌施設、舗装密度計、鉱山、製油所など)
  • 原子炉(発電、軍事、研究目的など)

地域外の放射線源 – 対象地域の周辺施設

  • 近隣の原子炉
  • 大規模な放射線施設
  • 近隣の潜在的な放射線源
  • 対象地域を通過する放射性物質や核物質
  • 放射性物質や核物質が対象地域の交通の要衝や主要道路(港湾、主要なハブ空港または高速道路など)を通過・利用する場合

潜在的なテロリストの標的

テロリストの標的にされる可能性が高い地域にはいくつかの要因があります。潜在的リスクが高い地域では、そのような攻撃に備えることが特に重要です。そのような地域を担当する安全管理チームには、低・中リスクの地域で必要とされるあらゆる備えに加えて、より強力な訓練と装備が必要となります。発生し得る最悪なシナリオを未然に防ぐことが目標であり、そのためには最高水準の安全対策が必要となります。

次の質問に回答して、自分の住んでいる町がテロリストの標的となるリスクが高いかどうかを確認しましょう。

  • あなたの町は米国や海外に広く知られていますか?
  • 多くの人が注目するようなイベント(大規模なスポーツや文化イベント)が開催されますか。もし開催される場合、その頻度は?
  • あなたの町は過去にテロリストの標的とされたことがありますか。
  • 主要な放射線施設や原子力施設が付近にありますか。
  • 主要な軍事施設が地域内にありますか。
  • その他の主要な政府施設が地域内にありますか。

加点評価による安全プログラムの構築


これらの質問に答えて放射線源の検証を終えたら、加点評価であなたの地域のリスクを低・中・高で判定できるようになります。対象地域やその周辺で、潜在的な放射線源または標的を1つ確認するごとに1ポイントを追加します。この合計数によって脅威レベルが決定し、これに基づいて安全プログラムの構築や改善を行うことができます。

🟡 低リスク(< 3点)– 一般的な放射線安全プログラム

基本的な要件で構成される「一般的な放射線安全プログラム」は、低リスク地域に適しています。このプログラムを担当する緊急時対応チームには、規制当局の承認を受けた放射線安全責任者を配置し、安全プログラムと要員向けのトレーニングシステムを整備・実施する必要があります。

放射性物質の取り扱いや保管に必要な適切な許可を取得し、X 線などの放射線発生装置の所持に必要な登録を行います。チーム要員は、線量測定装置の基本的な使い方を理解している必要があります。

🟠 中リスク(3~10点)– 防止プログラム

中リスク地域を担当するチームは、攻撃を未然に防ぐための適切な装備を準備しておく必要があります。このような装備には、交通要衝(料金所、橋、トンネルなど)への固定検出器の設置や、人員や車両への移動用検出器の装備が含まれ、放射性物質が兵器利用される前に検出する必要があります。潜在的な脅威に迅速かつ効率的に対応できるように、集中監視センターを設置する必要があります。

チームには、最小限の訓練を受けた、検出器を限定的にのみ操作できるTier II要員と、より複雑な操作を行えるように訓練されたTier III要員を配置します。

🔴 高リスク(> 10点)– 対応プログラム

「防止プログラム」と同様の要件に加えて、「対応プログラム」には、高リスク地域のチームがあらゆる規模の放射線脅威に対応するために役立つ要件が含まれています。このプログラムには、放射線事故がすでに起きてからの対応も含まれるため、チームは自分たちの健康と安全を保護するのに必要な最高レベルの装備を用意する必要があります。

緊急時対応を安全かつ効果的に遂行できるように、あらかじめ州政府および連邦政府機関・医療機関と対応プログラムを調整しておきます。住民の曝露レベルを監視できるハンドヘルドメーターやポータブルモニターなどの必要な機器を備えた「地域住民受け入れセンター」の計画書を策定する必要があります。

Mirionのチェックリストは、地域のリスクレベルを判定し、担当部門に安全プログラムを導入する際の指針として役立ちます。

放射線事故安全対策チェックリストのダウンロード

放射線事故に対応すべくチームを準備するにあたり専門的なサポートが必要な場合は、Mirionにお問い合わせください

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