放射線について消防士が知っておくべき5つのこと
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「放射線」という言葉は、緊急時対応者の人たちの間にさえも恐怖心を呼び起こすことがあります。
9.11(の米国同時多発テロ事件)後の調査によると、緊急時対応者が化学的、生物学的、あるいは放射性物質の脅威に直面した場合に、自らを防護することと被害者を除染する能力に大きな関心を寄せていることが分かりました。さらに、こうした潜在的な脅威に対するトレーニングは限定的であったことも指摘されています。
原子力測定・検出システムを提供しているMirion Technologiesの国土安全保障科学アドバイザーであるAndrew Karam博士は、放射線安全について人々に教えることにキャリアを捧げてきました。Karam博士は、1981年に米国海軍の原子力プログラムでキャリアをスタートさせ、海軍を退役後は放射線安全分野の仕事につきました。
Karam博士は後に、ニューヨーク市保健局で放射線・原子力緊急時対応計画の策定作業を指揮しました。 そこで彼は、ニューヨーク市警察(NYPD)やニューヨーク市消防局(FDNY)と協力して、放射線や原子力災害への対応手順や政策の策定を支援しました。 Karam博士はそのキャリアを通じて、緊急時対応者に対して、放射線にさらされた可能性がある被害者を恐れる必要はない、と強調してきました。
Karam博士は次のように述べています。「緊急時対応者が汚染を恐れるあまり、被害者が真に必要とする治療に遅れが生じ、不必要に苦しむことがありました。 自分が汚染されないように、できることは何でもしたいのは当然ですが、一刻を争うのであれば、被害者の命を救うにあたり必ずしも被害者自身を除染する必要はないのです」
Karam博士は、もし汚染されてしまったとしても、緊急時対応者はすでに対処法を知っていて、ただそれに気がついていないだけだとしています。
「私がよく使うたとえは、『おむつを替えるとき、おむつには触れたくないでしょう』というものです。 しかし、もし触れてしまったら、その後に手を洗いますよね。ほぼすべての種類の放射能汚染でも同様で、石鹸や水で洗い流すことができます。」
Karam博士は、このよくある誤解が不要な恐れにつながると述べています。 放射線の脅威への対応を心配している消防士のために、ここでは放射線について知っておくべき5つの重要なことを説明しています。